映画・テレビ

2019.03.02

チェコ・スワン

 録画していたNHKの「ドキュランド」「チェコ・スワン」を見た。チェコの田舎で活動している年配の(酒やお菓子の大好きなかなり太った)御婦人達のダンスグループで、地域ではカンカン踊りなどが評判を呼んだグループのようだった。このグループが最後の挑戦をしようということで本格的なバレー(白鳥の湖)に挑戦した記録であった。
 チェコの代表的なバレーの指導者と現役の美しいバレリーナが一緒に練習・指導するというものだった。年配のおばあさん達の踊りは洗練されたバレーとはほどとおいものだったが、おばあさんたちが練習を実に楽しみながらとりくでいた。最後の老人ホームでの「白鳥の湖」は練習前とくらべて(動作や技術はそれほど向上したようには見えなかったが)たしかに一つのバレー作品として感動的なものに感じられた。
 現役のバレリーナにとってはバレーの練習は特にきびしく、またつらいものでもあるのだろう。プロとしてのバレリーナにとってはこのような楽しみ方もあるのか、という新たな発見があったように見受けられた。バレーの良さはいろいろあって、芸術としてのバレー、楽しみとしてのバレー、それぞれが価値あるものだし、それぞれが挑戦的なもので、これまで取り組んできたものにもた新しい取り組み方があるのではないか、との感想をいだいた。

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2018.06.23

新時代劇

 「BS時代劇・鳴門秘帖」を録画していて最近になって再生して見た。昔のことになるが田村正和さんが主演された前作の印象は強かったが、新作は「新」時代劇風で面白く楽しめる。地上波では「そろばん侍・風の市兵衛」も面白い。殺陣は鳴門秘帖の山本耕史さんの方が決まっているが、そろばん侍の向井理さんもなかなかうまい。時代劇が好きなのは、子供のころからチャンバラの場面が面白かったのだろう。
 (チャンバラということでは女性を主人公にしたものはあまりないが、最近では「精霊の守り人」の綾瀬はるかさんの槍のチャンバラは迫真の演技ですごいと思った。)
 チャンバラではないが、「みをつくし料理帖」(黒木華さん主演)も面白かった。新・時代劇は娯楽としてよくできているなあ。最近では娯楽番組の時代劇は民放ではほとんど制作されず、もっぱらNHKの独占になってしまったなあ。

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2018.05.26

ペンタゴン・ペーパーズ

 久しぶりに映画を見た。封切りのときに見逃した「ペンタゴン・ペーパーズ」。60年代になって米国歴代の政府が隠していたベトナム戦争に関する極秘書類(マクナマラ報告書)がスクープされる経過が描かれたものだ。当時の米国はかろうじて三権の独立によってこの内部告発は司法により公益通報、と判断され、その後のウオーターゲイト事件へとつながるものとして描かれていた。当時の新聞社の様子も描かれていて、人の手で入稿し、版をおこし、印刷する、モノとして存在した新聞の文字通りの重みを感ずることができた。ひさしぶりに、ああ面白かった、という感想とともに、我が国の三権の独立と、メディアの振る舞いについて考えざるを得ない映画だった。
 この映画館は駅ビルにあるスクリーン3つほどの小規模なもので、一度廃業になったが、あらためて「キネマ旬報」がプロデュースする「名画座」になって復活したところだ。新しくなってからは往年の映画ファンという趣の方で賑わうようになっているようだ。

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2017.10.01

「植木等とのぼせもん」

 クレイジー・キャッツの植木等を主人公にしたNHKのドラマ「植木等とのぼせもん」が面白い。原作は植木等の「付き人」だった小松政夫氏ということだ。第一話は配役と記憶の中のクレージー・キャッツのイメージの間にやや違和感があったが、第二話以降は配役陣がクレイジー・キャッツのメンバーをそれぞれうまく演じていた。
 各エピソードで植木父(伊東四朗)がつぶやく含蓄ある言葉がストーリーをすすめる構成となっているようだ。

 第二話(第一話だったかも?)では「わかっちゃいるけどやめられない」だ。この言葉は以前にも植木等の父親は仏教のお坊さんで、こんな歌をなんで自分が歌わなければならないんだ、と迷っていたときに、この歌は仏教の教えに通じるところがある、と植木を励ましたというエピソードは知っていた。仏教的な示唆とはおそらく異なるが、概論などの授業でなぜ心理学が必要か、ということを話すときの枕によく使わせてもらったものだ。私たちは意識せず素朴心理学的な人間の理解の仕方を日常とっていることに気づいてほしい、というのがその目的であった。第二話は小松政夫氏の母親が心配して上京するシーンがあったが、昔風の親ごころが描かれていて、あらためて自分自身をふりかえり不明を恥じるところとなった。

 第三話ではクレイジー・キャッツが大いに売れて、植木等が大スターになるにつれ、グループの間に軋轢が生じ始めたときに、「ひとにはそれぞれその人でなければ果たせない役割があって、、、」と植木父がつぶやくエピソードがあった。植木ヒトシはこの言葉にヒントを受けて、メンバー全員のそれぞれの役割が果たされてこそクレイジー・キャッツが成立するのだ、だれが欠けてもだめなんだ、と植木ヒトシが谷ケイをさとしていた。
 大学のある部署の懇親会で、同じような話をしたことがあって、T君はそのことをよく覚えていてくれて、私の送別会でその話をしてくれた。

 第四話では(クレージー・キャッツのメンバーはそれぞれ非常に優れたジャズメンだったが「スーダラ節」のようなポピュラーな歌ばかり歌う(歌わなければならない)植木等の音楽的才能を惜しむ小松政夫に植木父は「みんなすきなことばかりしているわけではないんだよ」と言い、植木ヒトシも「したいことではなくて、やらなくてはならないことをやるんだよ、、、ウエキヒトシもつらいなあ」と植木等氏の職業観を語るエピソードがあった。

 この番組を見ていて、同じような考えをもっていたことに気がついた。よく考えたことはなかったのだが、子供のころから見ていたテレビ番組から受けた影響だろうか。伊東四朗氏演ずるところの植木父が重要な役割をはたしていたが、クレージーキャッツというのはたしかにつきぬけたように明るいながらも、ある種の諦観を感じさせる存在で、それがよく表現されている。全8回、ということなので後のエピソードも楽しみだ。

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2010.12.24

相棒II

 映画相棒IIを見た。前作はどことなくテレビっぽい印象が残っていたように感じたが,IIはストーリーもおもしろく映画としてのまとまりというか完成度が高まっていた。これはおすすめだ。すこし前に見たフジテレビ系の劇場版「SP」より数段すぐれたできだと思う。SPは最初の30分はすばらしかったが,後半はテレビ的で散漫な印象だった。
 和製の刑事ドラマはストーリーが定型化されてしまっていてあまりおもしろくなかったが,「相棒」は推理小説的なよくできた脚本と軽妙な演出で毎回楽しみにしている。
 テレビドラマでは最近ケーブルテレビで見ている 「LAW & ORDER クリミナル・インテント」が毎回秀逸でおもしろい。ちょっと「粘着」なゴーレン刑事と相棒の女性,イームズ刑事が証拠に忠実に,しかし,犯罪を人間的な理解の仕方で推論していく過程がテンポ良く描かれているものだ。

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2010.12.07

武士の家計簿

 先週末は「武士の家計簿」を見に行った。金沢藩の「御算用方」という会計課に代々仕えた猪田家7代目の直之・お駒夫婦を主人公とした江戸末期から明治時代にかけての物語。磯田道史氏の同名の著書を元にしたものであるということだ。家計簿の詳しい内容から当時の生活ぶりがいきいきと再現されていた。封建時代では各家の「お家芸」で家を守るほかに生活の手段はない。武士階級では軽視されていたお家芸である「算用」を子供にきびしく教え込む場面が印象的だった。「算用方」はどちらかといえば裏方で地味な地位だったが,時代は変わり,直之の子供成行は明治政府に「たくてぃーくす」の専門家として近代的なテクノクラートとして活躍の場を得ることになった。堺雅人さんなど俳優陣はいずれも好演で,派手ではないが時代の変動を生き抜いた芯の強い端正な人生が描かれていたと思う。

 脚本の元になった「武士の家計簿」は大変なベストセラーになっているようで,近所の3軒の本やの2軒で売り切れていた。一家の家計収支と現代の国家予算とは比較にならないが,「歴史は過去の人々との対話」という著者の磯田さんは現代の問題を史実を通じて解き明かそうとしておられるようだ。いま直之のような人が必要なときなのかもしれない。また,道田さんは社会情勢が大きく変化するときに生き延びるための術は既得権益に安住することではなく,普遍的な知識や技能であるとも述べておられた。「教育」についても,「経済」についても,また「社会」についても示唆に富む物語だ。

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2010.05.16

Green Zone

 久しぶりに柏の葉MOVIXに出かけ、ボーンシリーズの続編を期待していたがマット・デイモンとグリーングラス監督という同じ組み合わせのグリーン・ゾーンを見た。イラク戦争の理由の一つであった大量破壊兵器を探す特殊任務につくミラー隊長(マット・デイモン)が真相を追求していく物語だった。安全地帯(グリーンゾーン)のアメリカと危険な任務を負う米兵、イラクの分断を防ごうとして結果的にだまされたイラク軍将軍、苦しめられるイラク市民、国防省の「陰謀」とCIAの工作、事実とフィクションが入り交じりながら緊張感あるストーリーが展開されていく。アクションシーンは迫力あるものだ。最後のメッセージは真実を世界に伝えること、その手段にインターネットとジャーナリズムに託される。
 この映画を見て、マットデイモンとグリーングラス監督のボーン・シリーズの新作を見たいものだとあらためて思った。

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2010.02.18

相棒

 昨「相棒」新シリーズもおもしろく、録画してほぼ毎週見ている。晩のテレビ朝日「相棒」には「サブリミナル効果」や「マインドコントロール」といった心理学的な題材が使われていた。心理学研究室の先生方が心理学的見解を語る場面はややぎこちないが、その分野の研究書を参照し、現状の見解が語られていた。刑事的な責任をどのように問うか、取り調べの刑事達が悩んでいたところは法心理学的な内容でもあった。おもしろかったは、心理学について、以前は心を読まれる、というようなイメージがもたれていたと思うが、番組の中では、もう少し進んで、行動をあやつることができる、という印象へ変化しているようだ。描かれていた人物像には一般のイメージが反映されているのだろう。

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2009.05.24

消されたヘッドライン

ひさしぶりに柏の葉MOVIXに映画「消されたヘッドライン」を見に行った。ラッセル・クロウ主演の老練な新聞記者と学生時代からの友人である国会議員のスキャンダル、巨大な利権が複雑に入り組んだ事件を取材していく過程で一つの真相にせまるサスペンス。ストーリーは重層的で秀逸。キャストもそれぞれ存在感があり、適役だ。記者がさまざまな人間を通じて直接取材し、真実を解き明かし、多くの人の手によって印刷される新聞記事には文字通り「重み」があることを実感する映画だった。

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2008.10.06

「ヘアリボンの少女」

先週末テレビ東京の「美の巨人たち」の「今日の一枚」はロイ・リキテンスタインの「ヘアリボンの少女」だった。この番組は一枚の絵を題材にしてその由来やおもしろさ、絵画としての価値が軽妙だが説得力あるナレーションで語られるおもしろい番組だ。「ヘアリボンの少女」は一見単なるアメリカ漫画なのだが、東京都現代美術館が開館する際に6億円で購入した(たぶん時価よりもはるかに高かったらしい)ことで話題になったものだ。
 解説の中で、おもしろかったのは抽象画家であったリキテンスタインの幼い娘さんに「パパは絵描きなのにちっとも絵がうまくないのね」と言われたエピソードだった。これがきっかけで、自分が追求してきた絵画の本質を娘さんに理解してほしいと考えたのではないかと思う。それが(、というわけではないかもしれないが)ポップアートによる「絵画の翻訳」という試みであったという。具象画なので絵がうまいことは幼い娘さんにも理解してもらえる。それを通じて絵画の本質を伝えようとした、という解説だった。実際、「ヘアリボンの少女」はモンドリアンのあるコンポジション作品と同等の構成だった。この話はちょっとできすぎた話なのかもしれないが、「ポップな心理学」という行き方も今の私にとっては大切な道なのかもしれない、などと想像をふくらませている。

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