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July 2020

2020.07.29

統計数値

しばらく前になるが、ある報道機関の内閣支持率調査データに捏造が行われていたことが報道された。委託された調査会社によるデータねつ造ということであった。これらは社会的な影響の大きい数値だが(しかし具体的にどのような影響があるのかは明らかでない)、実のところ確かめることが難しい数値である。「内部告発」以外には知り得ないものだろう。これがこの会社のみのことであったのか、そうでないのかさえ確認のしようがない。

新型コロナウイルスの検査でよく聞くようになった「感度や特異度」の概念は心理統計学でも「統計的な仮説の検定」や信号検出理論で学ぶ内容と同等で、おなじみのものだが、むずかしい概念でもある。ひとつには「真の確率」はだれにもわからないため、検査の解釈が変わってくるところだろうか。医学検査データでは感度や特異度はどのようにして決定されているのだろうか。

PCR検査数の問題には測定の感度や特異度の問題と法的な制約という2つの異なる条件があり議論が混乱していたように思える。

「指定感染症」としての法的な制約から「医療崩壊を防ぐ」ためには病院の限界を超えて検査数を増やすことができなかったのだろう。得られている陽性率から逆算して対応できるベッド数を超えないように検査数を制限する必要があったということだろうか。初期の対応としてはしかたなかったのかもしれない。しかし、どうも奥歯にもののはさまったような説明をされる方が多かったように思う。現在では東京では4000件くらいの検査数なので、陽性率が7%程度とすると最大の「新規感染者数」は280程度となる。(高止まりしているのは天井効果による可能性があるので、実際はもっと多いのかもしれない)検査数の増加とともに陽性率が低下していくことが待たれる。

新規感染者数の発表の仕方についてもかならずしも透明なものでなかった。特に東京都知事が午前中に速報し、再び午後に発表ということが連日繰り返されたが、この発表の仕方にも批判が寄せられるようになった。特に「データを整えて」とかデータの恣意的なまとめ方をほのめかすような発言があってからは信頼感がそこなわれたように思う。

また、東京都の発表の仕方は発症日による集計(エピカーブ)でなく、数日間の診断された新規感染者データを(なんらかの基準で)まとめて発表しているようであるから(曜日による規則的な変動がみられていた)、それにどのような意味があるかは別にして恣意的な発表も可能であろう。公開されている専門家分科会の資料(新型コロナウイルス感染症対策分科会 7月22日開催 議事次第 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/corona3.pdf )では診断日による新規感染者数と発症日によって整理された感染者数のヒストグラム(エピカーブ)が提示されていたが、いずれも二山のヒストグラムであることはかわらないが、発生の仕方についてかなり異なる印象を受ける。このあたりが専門家による「4月5月の発生状況とはだいぶ異なる」という意見と、我々がメディアの報道等で受ける「第二波」の印象と異なる点なのだろう。

(行政的対応はいろいろなんだかちぐはぐだ。客観的なデータについて中心となってしっかり説明できる方が現われれば良いのだが。)

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