« 学会出張 | Main | 学会3 »

2013.10.15

学会2

 初日午前中にポスターセッションで発表。午後からシンポジウム「法科学の可能性と危険性:飯塚再審請求事件から考える」を聞いた。DNA鑑定をめぐる諸問題と人間科学的知見の「証拠能力」の問題が論じられた。心理学的鑑定としては「目撃証言」に関する実験や現地調査結果には常に確率的な性格とともに個別一回性の問題があらわれる。これらの話題から科学的認識論にかかわる議論になって面白かった。50回実験をやってある証拠を得ても、51回目の結果は異なるかもしれない。そのような「科学的事実」を一回限りの事件に適用する場合には統計的な過誤をおかす可能性が常にある。現実的には「補強証拠」をそろえ、この過誤をおかす可能性を小さくするしかない。裁判による判断は、普段のわれわれの思考と同様に、本質的にこの問題から逃れることはできない。人間科学的な「証拠」については、なにかを実証する、というよりはいまだ「可能性」を示すものであると考えるのがよさそうだし、そうだからといって価値が損なわれるものではないと思う。

|

« 学会出張 | Main | 学会3 »

大学往来」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 学会2:

« 学会出張 | Main | 学会3 »