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2010.12.07

武士の家計簿

 先週末は「武士の家計簿」を見に行った。金沢藩の「御算用方」という会計課に代々仕えた猪田家7代目の直之・お駒夫婦を主人公とした江戸末期から明治時代にかけての物語。磯田道史氏の同名の著書を元にしたものであるということだ。家計簿の詳しい内容から当時の生活ぶりがいきいきと再現されていた。封建時代では各家の「お家芸」で家を守るほかに生活の手段はない。武士階級では軽視されていたお家芸である「算用」を子供にきびしく教え込む場面が印象的だった。「算用方」はどちらかといえば裏方で地味な地位だったが,時代は変わり,直之の子供成行は明治政府に「たくてぃーくす」の専門家として近代的なテクノクラートとして活躍の場を得ることになった。堺雅人さんなど俳優陣はいずれも好演で,派手ではないが時代の変動を生き抜いた芯の強い端正な人生が描かれていたと思う。

 脚本の元になった「武士の家計簿」は大変なベストセラーになっているようで,近所の3軒の本やの2軒で売り切れていた。一家の家計収支と現代の国家予算とは比較にならないが,「歴史は過去の人々との対話」という著者の磯田さんは現代の問題を史実を通じて解き明かそうとしておられるようだ。いま直之のような人が必要なときなのかもしれない。また,道田さんは社会情勢が大きく変化するときに生き延びるための術は既得権益に安住することではなく,普遍的な知識や技能であるとも述べておられた。「教育」についても,「経済」についても,また「社会」についても示唆に富む物語だ。

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