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2009.09.06

陽だまりの樹

手塚治虫「陽だまりの樹」小学館文庫1~8を読む。幕末から明治時代への激変の時代を生きた二人の若者の生涯を描いた物語だ。一人は手塚治虫氏のおじいさん(手塚良案)がモデルで、もう一人は架空の人物と思われる徳川幕府に忠信をつくした伊武谷万二郎を通じて末期の幕府、「異国」との関わり、医療や軍事の近代化の歴史が描かれている。良庵は軍医として従軍した西南の役で病死、万次郎は五稜郭で最後を遂げたことになっている。

この物語は良庵を通じて手塚治虫の戦争や病気と医療のかかわりの考え方(生命観)がよく表れているように感じた。「陽だまりの樹」というタイトルは、水戸学の藤田東湖が幕末の幕府の有様をたとえて述べた言葉として描かれている。300年めぐまれた環境に育った樹は大きく育ったけれどもその内実は弱いもので、いまや朽ち果てようとしている。政治・軍事や学問・医療など新旧交代するダイナミックな時代と人々を描いた「歴史漫画」で、読み始めるとやめられない。漫画の文庫本ということで絵が小さいのがちょっと残念。

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