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2009.03.21

卒業生

 昨日の卒業式で、来賓祝辞は卒業生によるものであった。Iさんは人間科学部の一回生で福祉の仕事を続けているということであった。もう20数年も経つのだなあ。卒業生の先輩の一人としてアドバイスをしたい、ということで仕事を通じての経験をわかりやすく具体的に語られた。当時の社会学専攻を卒業したが、大学では特に福祉の勉強をしていたわけでなく、仕事を始めて「福祉とはなんだろう」という疑問に直面し、そのことを長い間考え続けたということだ。やがてIさんが得た結論は「福祉は人なり」ということだと話された。そして「人とはなんだろう」ということを考えるときに「人間科学部」でまなんだことがおおきなヒントになったと話されていた。マズローの欲求段階説を通じた自己実現の理論をてがかりにして、実際の体験を整理し解釈する上でこの考え方が「腑に落ちる」体験をされたようだ。
 このスピーチを聞きながら、大学で「理論」を教えるときには、その限界や問題点を探しがちになってしまうのだが、経験的に作られたものであればどんな「理論」にも発見的な価値があるのだなあ、と思う。Iさんは大学では直接いまの仕事に役立つ資格や知識はもっていなかったということだが、これから新しくさまざまな仕事を始めることになる卒業生も同様であろう。その意味でIさんの祝辞はすばらしい「はなむけ」の言葉だったと思う。
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