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March 2007

2007.03.28

これから論文を書く若者のために

酒井聡樹氏著 これから論文を書く若者のために 大改訂増補版 共立出版 2006

 本書はウェッブサイトで有名だった「若手研究者のお経:これから論文を書く若者のために」が書籍として出版されたものである。「アルプス一万尺」の替え歌「論文書きの歌」として論文執筆のプロセスが歌いこまれている(もっとも歌自体はちょっとスベリぎみだ)。
 これから論文を書こうとしている若い研究者のために書かれたものだが、「論文の書き方」という形式的なアドバイスも有益であると思うが、第1部第2章「なぜ、論文を発表するのか」では研究の本質とともに「世俗的理由」も述べられているところに特徴がある。また、投稿した後の「査読」コメントへの対応の仕方まで具体的にアドバイスが行われている点も実際的である。
 第3部 第2章「なかなか論文を書けない若者のために」は論文を書けない理由がいろいろ分析されている。論文を書けない、ということで(それ以外のことにもあてはまることがあるが)よく話題になるのは「先送り症候群」である。この行動は「意志の弱さ」以外にもいろいろな分析が可能だ。この症候群に陥った場合の対処法も愛情込めて種々提案されている。ところで、「先送り症候群」は若者に限られるものではなく、年齢とともにその症状が重くなっていく「危険性」すらある。また、「論文書き」に限られる症候群でもなさそうだ。

 著者の研究領域では現実として英語以外の論文は「通用」しないということから、論文は英語で、ということが主張されている。ここのところは研究分野によって事情が多少異なるところかもしれない。

 いろいろな「論文の書き方」本があるが、本書は具体的なアドバイスと研究者としてのサバイバルという点を正直に語っている点に特徴がある。修士論文や博士論文を書く準備をしている人や、研究論文を初めて投稿しようとしている人には参考になる点が多いものと思われる。

目次
第1部 論文を書く前に
 第2章 なぜ、論文を発表するのか
第2部 論文書きの歌:執筆開始から掲載決定まで
第3部 論文を書き上げるために
 第2章 なかなか論文を書けない若者のために
第4部 わかりやすく、面白い論文を書こう
付録 論文の審査過程

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2007.03.21

卒業式

 昨日は大学、大学院、短期大学の卒業式に午前、午後と続けて出席した。大学の式は今年から祝辞をひとつ簡略化して短期大学とほぼ同じ式次第となり、丁度よい時間のように感じた。今年のスピーチで印象に残ったのは短期大学の卒業式で来賓として祝辞を述べられたS先生のものだった。S先生は長年短期大学に勤務され数年前に退職された方だ。祝辞は具体的でわかりやすく、まだ幼さののこる卒業生にこころのこもった励ましの言葉を述べられた。短期大学でながくすごされた経験と学生への思いやりがあってこその祝辞であったと思う。
 式後、今年度で退職されるA先生もちょうどセンター長として出席されていたので最後に挨拶をすることができた。お礼の言葉をいただいたのだが、言葉につまってしまった。長年にわたり苦楽をともにしてきたのだが、そのことをとっさに言葉にすることができなかった。
 学生を送り出す卒業式はほっとすると同時に卒業していく人たちがちょっぴりうらやましくもあって、ちょっとしんみんりした気分になるものだが、今年はとりわけ、そうだった。

「人は集い、また、散じ」。健闘を祈る。

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2007.03.11

メールソフト

 Thunderbirdとdocファイルの相性が悪く困っている。Mozilaのサポートにのっている対処法でもだめだった。勤務先で使っているThunderbirdでは問題ないのでバージョンによるようだ。自宅PCから送信しようとすると「送信済みトレイへのコピーに失敗しました」という意味のエラーメッセージが出る。送信されたdocファイルも壊れている。
 Thunderbirdはこの問題以外は何の支障もなく、迷惑メールを的確に仕分けてくれる点でフリーソフトながら大変すぐれたものだと思う。しかし、共通の仕事関係ではdocファイルが送られてくるのでやっかいだ。
 ジャストシステムの新しいShuriken 2007はThunderbirdと同様に迷惑メール仕分け機能(学習型フィルター)を売り物にしているようなので試してみることにした。Outlookを使っている人への送信テストはできていないが、自分宛の別アカウントへの送信テストでは問題なさそうだ。画面や動作についても以前のバージョンと比べて洗練され、良くなっているように感じた。

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2007.03.06

オジギビト進化論

 春休みになって、キャンパス内はいろいろな工事が行われている。工事現場ではこのような看板をみかけるが、これは「オジギビト」と呼ばれて、その系譜が全国的に調べられている。某博覧強記系サイト経由で知った「街角のオジギビト」(とり・みき氏著、筑摩書房、2007)によると、下の写真のオジギビトも取り上げられていて、これは原型から派生したか原型に近い「兄弟」のようだ(p.34 オジギビト進化論)。

Ojigibito1

 看板に書かれた挨拶文や微妙に異なる絵柄からその「系統図」が構成されている。「進化」のしくみがいろいろ考えられていてなかなかおもしろい本である。 しくみといっても一種の「伝言ゲーム」のような「コピーノイズの増加」が候補のようだが、ネットワーク時代の「考現学」として興味はつきない。もしかする と、他のモノの普及過程にも同様の原理が適用されるような「法則性」が見つかるのかもしれないなあ(「なんちゃって」文化進化論)。

 著者はもう20年も前にあの「平凡パンチ」で「愛のさかあがり」というエッセイを連載しておられ、そのときすでにこの話題を取り上げていた、ということだ。「平凡パンチ」はその表紙のイラスト(大橋歩さん)に惹かれてよく読んでいたのだが、この話にはまったく覚えがない。

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