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2006.06.05

「盗作」

 絵画の模写と盗作はどこで区別がつくのだろう。もちろん某氏の行為にはオリジナルを意図的に隠したとすると、その点で道義的な問題がある。賞を与えた委員の人たちはオリジナルを知らないまま作品を評価したのだろう。しかし、それが「盗作」だったということで、その作品そのものの芸術的な価値は落ちるものなのだろうか。(暴論だが、このような点からオリジナルに賞を与えず、「盗」作品に賞を与えた説明をするべきかもしれない。)
 実験実習レポートでも類似の「事件」がときおり起こることがある。これにはあるWebサイトに書かれていた「ケーキ作りの課題に、ケーキ屋さんで買ってきたケーキを提出する如く、当人にとって実質的に益のない行為」だ、というたとえを「引用」して注意することがあるのだが、お説教する際にも出典を示さないとまずいのかも。
 科学的な研究論文の場合には「盗作」と「ねつ造」がある。「ねつ造」については科学の進歩した現代では専門家にも容易に判定できないものもあるようだ。また、仮にアイデアを盗み(オリジナルを示さず)それによって新しい発見があった場合、その研究者は道徳的に批難を受けることは確実である。しかし、発見そのものはそれが誰によって発見されたものかに関わらず研究の進展に寄与することになるかもしれない。
 われわれの知識のほとんどすべては先人の研究の結果であるから、有る意味でそれらを「模写」し、そこから多くのことを学んでいる。だからレポートや卒論では先人に敬意を表すために必ずオリジナルを示すことに留意しなければならないが、これは逆に著者のオリジナリティを明らかにする上で必要な作業なのである。

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