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2006.03.23

「江戸の学び」展

 今日は楽しみにしていた「江戸の学び:教育爆発の時代」展(江戸東京博物館)にやっと行くことが出来た。すでに出版されている「図説江戸の学び」(市川寛明・石山秀和 河出書房新社2006)の内容であるが、それぞれ実物を見ると新たな感慨がある。ある寺子屋を再現した展示があったが、「天神机」や「字突き棒」、薄墨から何度も何度も使われて真っ黒になっている練習帳などをみる。先生(師匠)の背には天神様の掛け軸があり、その杉の壁板にはいろいろ落書きされていておもしろい。当時の人たちはとても小柄で手習いしている子どもの後ろ姿などをみるとほんとうにけなげな感じがする。当時から、我が国は世界にもまれなほど高い識字率を誇っていたことからもわかるようにすぐれた教育の仕組みだったのだろう。
 安定した江戸時代から世界の脅威にさらされるようになるころから、それに対応するべくして結果として学問は社会階層の流動化の役割を果たすようになっていった。立身出世や実力主義の世界となっていく今日の教育の始まりである。展示の後半はそれに対応して現在の一斉授業・どこか堅苦しい教室風景となっていく。それでも社会階層の流動化の仕組みとして教育はましなものだと思われるので、もはや寺子屋の時代に戻ることはできないのであるが、そこで見られたいろいろな創意工夫は今日むしろ新鮮なものに感じられるのである。

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