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2005.11.01

虹の色

板倉聖宣著「虹は七色か六色か:真理と教育の問題を考える」仮説社(2003)
本書は文庫版サイズで60ページほどの「ミニ授業書」である。色彩知覚に関連した話題の材料にと思って購入した。私が学生のころ、有名な社会言語学者S氏による「言語によって知覚世界が異なる」ということを主張した新書本のなかにこの虹の色の話がでていた。私もその本を読んだはずなのだが、「実際の虹には7色は見えないなあ」「せいぜい4色くらいかなあ」などという素朴な感想を持っていた。本書によると時をほぼ同じくして当時各分野(物理学、生物学、科学哲学)を代表する著名な学者3名も同様の主張をして、「日本語の優秀性」を示唆している発言を行っているそうだ。板倉氏はこの問題を「教育の権威主義」的側面から生まれた誤りと論じている。科学者は創造的であるためには「自分の目で、自分の頭で考えよ」と常々言っている割には意外なことに「とても権威主義的」な面もあり、本書は先の優秀な4人の科学者でさえも、科学者としての目をよくできた話やちょっとおもしろい話にうばわれてしまう誘惑が存在している、という警鐘なのであろう。

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