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2004.05.19

アゴ

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郷里から好物が届いた。「あごちくわ」、「とうふちくわ」、「いわしのへしこ」だ。「あご」というのは九州から山陰方面で「とびうお」のことで、ちょうどこの時期は毎日のように食べていたものだ。あごちくわはトビウオのちくわで、その独特の風味は山陰の初夏の味である。とうふちくわ、というのはこれもたぶん山陰に独特の木綿豆腐を練り込んだちくわである。日常食ではあるが、とても繊細な味がする。あごちくわの野趣にみちた味と、とうふちくわの繊細な味わいの組み合わせはちくわ界のホームラン王です(ってだいぶ古いな)。
 昔とちがってきれいにパッケージされて販売されている。ラベルをみたら、「ちむらちくわ店」というなつかしい名前だ。たぶん、小学校のとき同級だったちむら君がこの商売をついでおられるのだろう。パンフレットを見ると、大きな店舗になって発展しているようすだ。おくられてきたパッケージには昔ながらのあごちくわととうふちくわに加えて新しい創作的なものもあって、古い良いものを守りながら、新しい物産を作り出していこうという意気ごみが伝わってくるようでうれしい。
 故郷の食べ物というのは、やがて故郷を離れてから再発見されるもののようだ。「あごちくわ」や「とうふちくわ」を私の恩師のお一人にあるときおみやげに差し上げたことがある。こちらではとてもめずらしい新鮮な味だった様子で、大変によろこばれ、またぜひに、と催促されたほどだった。食べ慣れたものは好物であっても、あまりにも日常的であり、質素なものであるために、その価値に気づくこともなく、ごちそうであることを忘れてしまう。
 「へしこ」というのはイワシやサバなどのぬか漬けのことで、広く山陰から石川あたりまで分布しているらしい。これも質素な日常食ではあるが、実に味わい深いものなのだと思うようになった。特に、これは私のオリジナルなのだが(たまたま石川にあるイタリア人シェフがやっているイタリア料理のレストランにも同じメニューがあることを後で知った)いわしのへしこのパスタはアンチョビーのパスタに劣らない力強い味に仕上がる。(どこか郷里のレストランでメニューに採用してください。名物になるものと確信している自信作なのです。)

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