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April 2004

2004.04.25

きりぬき

 奥村宏氏「判断力」(岩波新書2004)。奥村氏は独創的な経済学者として知られている。この本のなかに大学教育についての大切な指摘がある。経済学においても「輸入学説」を学ぶことが学者や研究者としてのふつうのコースとされている。奥村氏はまずこれがおおきなまちがいで、学説を無批判になぞることが「判断力」を損なうことになっていると言う。それで、ゼミでは教科書を読むというスタイルをとらず、学生が自分で決めたテーマについての新聞記事のスクラップをすることからスタートされるとのことだ。
 まずは自分であつめた生のデータをじっくり読み取ることから始めるということだろう。新聞には経済関係の記事は豊富で、各記事の関連性や背景を分析するのはたしかにおもしろいだろうと思う。
 私の関係している分野でもこのようなスタイルをとることができればとてもおもしろいことができるだろう。ただ新聞記事は経済にくらべるととても少ないし、新聞記事を生のデータとするわけにはいかないが、たしかに、テキストや先行研究からスタートする方式がすべてではない。私も卒論には新鮮な見方を期待しているのであるが、実際には教科書を模倣する方式しかとることができず、具体的な方法を提示できないでいた、と言わなければならない。奥村氏のきりぬき方式をどのようにすれば私の関係する分野でも実現できるか、考えてみるべきだと思う。
 本書は学問のあり方への批判の書であり、耳の痛いところが多いが、耳を覆ってはいけない話が多くある。

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2004.04.21

新緑

大学構内は新緑といろいろな花が咲き誇り、一年でも一番いきいきとした景色だ。
今日はとてもさわやかな初夏の気候だ。
dogwood.JPG
大学正門ちかくのハナミズキ(だと思う)。なんでdogwoodと呼ばれるのだろうか。花弁の雰囲気が犬の舌や耳に似ているから?
(CLIE UX50のデジタルカメラで。レンズにはTH55と同じ調子でいろいろな収差が盛大に見られる。しかし、近いところは比較的きれいに写る。)

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2004.04.17

フェスティンガー

宇沢弘文(著)経済学と人間の心(東洋経済新社、2003)の中に、「レオン・フェスティンガーを偲ぶ」というエッセイがあった。フェスティンガーはもちろん認知的不協和理論を提唱した著名な社会心理学者である。ずいぶん前のことになるが、まだ大学院生だったころに、フェスティンガーが専門領域を変えたらしい、という話を聞いたことがあった。そのときは理由もよくわからなかったのであるが、このエッセイにはその事情がかなりくわしく書いてあった。

フェスティンガーは当時スタンフォード大学のスター教授であり、米軍の顧問のような地位にもあって、ベトナム戦争にも関わりがあって、フェスティンガーは彼の理論が戦争に応用された(どのようにか、は書いてなかったが)ことに苦悩し、痛ましいほどであったという。

大学も学生運動のさなかにあった時期でもあった。フェスティンガーはある日突然に家族や大学の地位も捨てて文字通り姿を消したという。ちょうどそのころフェスティンガーは阿部公房に傾倒し、宇沢氏もその傾倒の危険性を感じるほどのものだったらしい。その後ベトナム戦争も終わり、だいぶあとになって宇沢氏に手紙がきた。それによると、米国における大学改革の一つの思想が結実したNew School for Social Researchに学生として入学し、文化人類学を学び、再婚もして、その大学で教えているという内容であった。

この本のなかにはほかにもベトナム戦争が関わった大学や研究者の悲劇が多く記されている。宇沢氏はベトナム戦争を米国の衰退の始まりと見ておられる。今度のイラク戦争もそれを例証する証拠の一つになりつつある。

「こころ」をこわだかに語るものには気をつけよ、というのは現在必要な教訓の一つだが、この本で語られている心はその対局にあるものだと思う。

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2004.04.01

桜咲く

ことしも図書館脇の桜がきれいに咲いて満開。明日はあいにく雨模様らしいが、あさっての入学式まではなんとかもつだろう。
sakura040331.jpg

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新学期

今日は辞令交付式。今年は勤続○年表彰をうけることになって、あらためて時間の経過を感ずる。このようなものを見ていると神妙な気持ちにもなってくる。この日は退職者の方も一緒だったのでしばらく大学開設当時の思い出話をした。kinzoku20.jpg

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